太宰 治『人間失格』(そしてiPhone「SkyBook」について)

人間失格 (新潮文庫)

人間失格 (新潮文庫)

勝手な先入観を持っていて、主人公である著者がモルヒネ中毒になって「もはや完全に人間でなくなりました」と悟る話かと思ってたら全くそうではなかった、恥ずかしい。

現代作家ではなく古典に位置する、しかしまだそんなに古くはない方だ。だからかもしれないが、日本語文体にとても美しさを感じた。作品の世界観にマッチしている。

感想として、とても面白かった。こんなに面白いものだとは、もっと早く読んでいれば…という感じ。とはいえ今の自分にも合っていたことが大きいのかもしれない(これは例えば自分の高校生時代と比べて、という意味。今に合っていたかどうかも分からないが…)。自分は小説と言えば主に村上龍の作品しか読まない。なぜかというとまたこの作家の作品を読みたいと自分に思わせるのが村上龍ぐらいだったからだ(そして入手可能なほぼ全作品を読んでいる)。そして今回、太宰治の作品をほかにも色々読んでみたいと思わせるものがあった。この衝撃は個人的に大きい。

また改めて読み直したい。何度も読み直したい。が、太宰治の他の作品がとても気になる。著作権が切れており、青空文庫に大量にあるのが嬉しい。青空文庫にある作品は、iPhoneで読める。

今回、iPhoneアプリ「SkyBook」で読了した。

予想以上に、とても読みやすかった。電車の中で立っている時も、片手で読めるのがいい。

すでに興味あるたくさんの作品をダウンロード済だが、人間失格しか読んでいない太宰治作品を焦点に次に読みたい作品を探してみた。

SkyBookで読みたいもの(引用はWikipediaより)

  • 桜桃

人間失格とともに自作直前に書かれたものらしいので。

小学生で読んだときより、内容・文章に対しての感じ方が変わっているだろうから。

4回の自殺未遂や小説のデカダン的とも言える作風のためか、真に迫った作風を好む作家としてのみ捉える向きもあるが、戦時中は『畜犬談』『お伽草紙』『新釈諸国噺』などユーモアの溢れる作品も残している。

上記内容をきっかけに、

長編、短編ともに優れていたが、「満願」等のように僅か原稿用紙数枚で、見事に書き上げる小説家としても高く評価されている。「女生徒」「きりぎりす」をはじめとして、女性一人称の作品を多く執筆。「なぜ男性なのに、女性の気持ちがここまで判るのか」と、女性作家や女性文芸評論家から賞讃を受けている

上記内容をきっかけに、

  • 満願
  • 女生徒
  • きりぎりす

聖書やキリスト教にも強い関心を抱き続けた。そして聖書に関する作品をいくつか残している。その一つが「駈込み訴へ」である。「駈込み訴へ」では、一般的に裏切り者、背反者として認知されるイスカリオテのユダの心の葛藤が描かれている。太宰は、この作品を口述筆記で一気に仕上げた。

上記内容をきっかけに、

  • 駈込み訴へ

その他の作家

諧謔的、破滅的な作風で、織田作之助坂口安吾石川淳などともに新戯作派、無頼派とも称された。

織田作之助坂口安吾は大量に青空文庫(SkyBook)にあったので改めてWikipediaを参考に作品を調べ読む。石川淳はなかった。